龍樹3 諸法は生じることも滅することもない

彼との依存関係から此が生じるのであって、この世間の道理を佛陀は否定されるのではない。
依存関係から生じるものは実体がないから、そのものがどうして存在しようか。それがないことは明白である。
縁起とは実体として生起することではないから、ものは実体として生ずるのでも滅するのでもない。
縁起は、ものがそれ自体として生じていないことを意味している。
諸のものの自性(それ自身の実体)は、縁などのなかには存在しない。自性がないのに他性(他の実体)がどうして存在しようか。
諸のものが他によってあることが空性の意味である。他によるものには自性(実体)はない。
実体としての存在は何らあるのではなく、非存在があるのでもない。因と縁から生起した存在と非存在は空である。
佛陀の説く縁起は生滅を離れている。